慰謝料の金額はどう決まる?

 離婚の際に慰謝料を請求する場合、慰謝料の金額はどのように決まるのでしょうか?

実は、慰謝料の金額に決まりはありません。協議離婚では、夫婦の話し合いによって自由に決めることができます。話し合って決めた金額で、お互いの気がすむのであればそれでいいのです。

 調停や裁判でも自由な金額を請求できます。しかし、実際は高額な決定は難しいです。なぜなら、慰謝料の額の判断材料として重視されるのは「原告がどれだけ傷ついたか」ではなく、「被告にどれだけ非があるか」についてだからです。

 相手の非を証明しなければならないのは、慰謝料を請求する側です。証明が不十分ですと慰謝料を減額されるか、場合によっては請求そのものが棄却されます。証明できたとしても、自分にも何らかの非があるとされれば、慰謝料は減額されてしまいます。

 離婚は多くの場合、双方に何らかの非があり、相手だけに非があると証明することは簡単ではありません。DVがあったときなどは相手の非は明らかでしょうが、性格の不一致など離婚理由の多くは、一方だけに責任を押し付けられるものではないようです。司法統計を見てみますと、慰謝料を200~300万円以下とする離婚が最も多くなっています。ニュースなどで芸能人の高額慰謝料の話題が出ますが、それはその方の財産が多いからです。慰謝料にはあまり大きな期待を抱かないほうがよさそうです。