法律で認められる離婚理由②

@夫婦の義務を怠ったとき@

離婚理由の2つ目は「悪意の遺棄」です。

民法では婚姻関係にある夫婦に3つの義務を定めており、これを故意に怠ることを法的に悪意の遺棄と言います。

夫婦の3つの義務とは、①同居義務、②扶助義務、③協力義務を言います。

ただ、単にこれらの義務を怠っただけでは「悪意の遺棄」とは認められません。「悪意」とされるのは、「これで結婚生活を破たんさせてやろう」と、相手が困ることを分かったうえでやっているか、そこまで意識していなくても「これで結婚生活が破たんしてもかまわない」と考えているケースです。

 

同居義務違反とみなされる例として、次の場合があげられます。

・配偶者の承諾を得ないで勝手に別居している。

浮気相手の家に入りびたっている。

・たびたび家出をする。

・配偶者を家に入れない

・配偶者を虐待して追い出す

 

扶助義務違反とみなされる例として、次の場合があげられます。

・最低限の生活費を渡さない

・病気の配偶者を看病せず放置する。

・生活費の大半を趣味やギャンブルに使い込む。

・健康なのに働かない

・生活費を送る約束で別居したのに送らない

 

これらの義務違反は、離婚の理由があるかないかを判断する際に重要となってきます。