@3年以上生死が分からないとき@
配偶者と音信不通になってから3年が過ぎ、生死も分からないときには離婚を求めて裁判を起こすことができます。最後にいつコンタクトしたかを、電話の通話履歴やメールの履歴、消印付きの手紙等で証明します。また、相手を探す努力をしたことを示すため、警察に捜索願を出したことが分かる受理証明書が必要となります。
また、親戚や知人、仕事の関係者などに「〇〇年以降に連絡はなく、見かけてもいない」という陳述書を書いてもらう必要があります。逆に言うと、このときに本人を見た、連絡を受けたという証言があると、生存の可能性があるとみなされ、離婚理由としては認められません。
行方が分からなくても相手からの連絡があり、生きていることが明らかな場合は、「生死不明」ではなく「行方不明」の扱いとなり、この状況で離婚をするには、前回述べた「悪意の遺棄」(法律で認められる離婚理由②参照)等で裁判を起こすことが必要です。
なお、裁判で離婚が認められた後で相手の生存が分かっても、離婚が取り消されることはありません。
ちなみに、生死が7年以上分からないときは、裁判という方法を取らずに、家庭裁判所に失踪宣告の申立を行うことで婚姻関係の解消をする方法もあります。家庭裁判所で失踪宣告の審判を受けると、法律上、生死不明者は死亡とみなされるため、遺産の相続や、再婚も認められます。ただし、後になって本人の生存が分かった場合、失踪宣告は取り消されて婚姻関係は復活することになります。
もし、失踪宣告を受けて再婚していたら、再婚が取り消される可能性があるので、裁判での離婚を選ぶほうが一般的と言えるでしょう。