離婚相談

【離婚とお金】

離婚時には、必ずお金の問題に直面します。離婚後の生活を左右する重要な問題なので、どんなお金を受け取る(支払う)ことになるのか、しっかりと確認することが大切です。

 

*財産分与*

離婚の際に夫婦間の財産を分けることを言います。対象となるのは、夫婦の「共有財産」であり結婚生活を始めた日以後に、夫婦が協力して得た財産は、すべて共有財産とみなされます。

財産分与の割合は、夫婦の話し合いで自由に決めることができますが、原則として2分の1ずつ分けるのが主流の考え方です。

 

*婚姻費用

夫婦が共同生活を送るのに必要な費用のことで、生活費、教育費、医療費、交際費などがこれにあたります。夫婦には婚姻費用を分かち合う義務があり、夫婦関係が悪化したからといってこの義務を怠ることは許されません。関係の修復や離婚に向けて別居している間も、婚姻費用は分担しなければなりません。相手よりも収入が少ない場合や、相手より収入が多くても子どもを引き取っているなど、相手よりも扶養の必要性が高い場合には、婚姻費用を請求することができます。

 

*年金分割

離婚した場合、夫婦の婚姻期間中の厚生年金を分割して、それぞれ自分の年金とすることができます。年金分割の対象となるのは、会社員、公務員が加入する厚生年金のみです。

年金分割を行うには夫婦でお互いの取り分(按分割合)を決め、合意する必要があります。夫婦のどちらかが第3号被保険者である場合は、3号分割制度が適用され平成20年4月1日以降に納めた保険料(保険料納付記録)は、合意不要2分の1ずつ分割されます。

合意分割、3号分割ともに年金事務所での手続きが必要です。

 

*慰謝料

慰謝料とは、相手がした行為によって精神的苦痛を受けた場合に支払ってもらうものです。浮気や暴力などの不法行為に対して請求することが多いです。

慰謝料の金額には決まりがなく、協議離婚では夫婦の話し合い次第で自由に決められます。支払方法や支払期限についても取り決め、決定したことは公正証書に残しておくとよいでしょう。

配偶者の浮気相手に対しても慰謝料の請求が可能となる場合もあります。

 

 

【離婚と子ども】

離婚によって夫婦関係は解消されても、子どもの父母であるという事実は変わりません。親には子どもを守る義務があり、離婚により子どもの利益を害することは許されません。子どもの人生を守るための取り決めを最優先に考えることが大切です。

 

*親権*

親権とは、子どもの利益のため、看護、教育する権利であり義務でもあります。

結婚していれば親権は父母の双方が持ちますが、離婚すると基本的にはどちらか一方が持つことになり、どちらが受け持つかを決めない限り離婚届は受理されません。

協議離婚では夫婦の話し合いで自由に親権者を決められます。一方、調停や裁判では監護実績や子どもの年齢、意思等を考慮し、どちらが子どもの利益を守る適任者であるかが重視されます。

 

*面会交流*

離婚によって離れて暮らすことになった親にも、子どもと会ったり連絡を取ったりすることが認められています。子どもと会う以外にも、電話やメールのやり取り、プレゼントを贈る、学校行事を見学するなどの行為も面会交流にあたります。面会交流は子どもの権利でもあるため、同居している親も離れて暮らす親も、正当な理由がない限り面会交流を拒むことはできません。

 

*養育費*

未成年の子どもを世話して育てるのは父母それぞれの義務であり、それにかかる費用(養育費)も両親が負担します。子どもが成人するまで養育費の義務があり、「負担しない」という選択はどちらの親もできません。別居中で養育に携わっていないといった事情とも無関係です。

養育費を取り決めるときは、金額だけでなく支払い条件を詳細に決めます。継続して必要なお金であるため、支払いも定期払が原則です。指定した期日までに金融機関口座に毎月一定額を振り込む方法が一般的です。

 

*子どもの戸籍*

離婚時の戸籍は、結婚した際に姓が変わった人が抜ける(除籍)のが基本的なルールです。その際、子どもは結婚時の戸籍に残ります。籍を抜けたほうが親権を取っても子どもの戸籍は動きません。親子が別々の姓を名乗ることになります。親権者が結婚時の姓を名乗り続ければ、姓だけは親子が同じになりますが、戸籍は別々のままです。

子どもを同じ戸籍に移したい場合、自分が筆頭となる戸籍を作る必要があります。戸籍ができたら「子の氏の変更許可」を家庭裁判所に申し立てます。許可を得て市区町村役場で入籍の手続きをすれば、子どもの戸籍は変更されます。なお、子どもの姓を変更する手続きは、親権者でなければできません。

 

 

行政書士 元(はじめ)法務事務所では、離婚時の疑問やお悩みについて、親身になって対応致します。どんなことでもお気軽にご相談ください。


 

離婚協議書作成

離婚協議書とは?

協議離婚の際、夫婦双方の合意により取り決めた約束事が、離婚後きちんと実行されるかどうかが問題となります。特に財産分与、養育費、慰謝料など金銭面での取り決めや、子どもとの面会交渉権などは、離婚後に揉めることが多い事項です。このようなトラブルを避けるため、協議の際に取り決めた約束事を書面化したものが「離婚協議書」です。しっかりとした離婚協議書が有るか無いかは、離婚後の生活に重大な影響を与えることになります。話し合いを終えたら、取り決めた内容は必ず離婚協議書として残しましょう。

 

 

強制執行認諾約款付公正証書

離婚協議書だけでは、裁判での証拠にはなっても強制執行力はありません。なぜなら、離婚協議書は双方の合意と署名押印のみで成立する私的書類にすぎないからです。そのため法的な効力は弱いといえます。 そこで効果が出てくるのが、強制執行認諾約款が盛り込まれている「強制執行認諾約款付公正証書」です。

「公正証書」とは、両当事者(代理人も可)が一緒に公証役場へ出向いて、双方が合意の上で作成した「離婚協議書」を基に公証人に作成してもらう書面のことをいいます。 その際、「債務者に契約違反があった場合には、直ちに強制執行に服することに同意する」という内容の文言を入れた公正証書にしておきます。 この文言を「強制執行認諾文言」「強制執行認諾約款」といいます。

離婚協議書を作成したら、強制執行認諾の約款が付いた公正証書を作ることをお勧めします。

 

 

行政書士 元(はじめ)法務事務所では、離婚の専門家による離婚協議書の作成、公正証書の完成までのサポートを致します。

 

 

※行政書士は、調停及び裁判に関する書類の作成はできません。 また、相手方に事務的な連絡はできても、代理人となって相手方との交渉をすことはできません。